Diabetes Outpatient
糖尿病(2型)とは、体を動かすエネルギー源であるブドウ糖を細胞がうまく取り込めなくなって、未処理のブドウ糖が血液中にダブついてしまう慢性疾患です。
健常な人なら、インスリン※がしっかり働き、血中のブドウ糖を細胞に送り込んでエネルギー源にしたり、または脂肪やグリコーゲンといった物質に変えて筋肉や肝臓内に蓄えたりします。このインスリン分泌が足りなくなったり、足りていてもうまく細胞に作用しなくなったりした状態が糖尿病です。重くなると、血糖コントロールが非常に難しくなってきますし、合併症(網膜症・腎症・神経障害など)も招きやすくなりますので、とにかく早期に発見し、早期に治療を始めることが大切です。
※インスリンとは
血液中のブドウ糖を組織に取り込ませ、血糖値を下げる働きをしているホルモン。
糖尿病の診断にあたっては、血液検査や経口糖負荷試験などによる「慢性的な高血糖状態」の確認、および症状、臨床所見、家族歴、体重歴などを参考にして、総合的に判断します。
また、糖尿病は初期のうちは自覚症状がほとんどありませんので、患者さんの病状を把握するためには血糖やHbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)※の値を定期的に検査していく必要があります。
※HbA1cとは
血糖値が高くなると、ブドウ糖が赤血球中のヘモグロビン(Hb)と結合します。これがHbA1cと呼ばれるもので、血糖値が高ければ高いほど、この値も高くなります。HbA1cは過去1~2ヶ月における血糖の平均的な状態を示すと考えられています。当クリニックでは、院内においてHbA1cの迅速検査が行えます。
糖尿病は、現在の医学では完治させることができません。しかし、糖尿病自体は治せなくても、血糖値を正常に保ち、同時に体重や血圧、血中脂質も良好な状態に保てば、糖尿病による種々の合併症を起こさずに、あるいは進展を阻止して健康を保持することは十分に可能です。
そして血糖値を正常に保つ上で重要になるのが、継続的な「血糖コントロール」です。医師の指導のもと、まずは食事療法および運動療法を行います。これだけで正常値になる患者さんもいらっしゃいます。糖尿病が進行したケースや食事・運動療法だけでは血糖値がうまく下がらないような場合には、併せて内服薬による治療やインスリン療法※を行います。
※インスリン療法とは
注射により体外からインスリンを補う治療法です。誤解が少なくないのですが、インスリン療法は糖尿病の最終的な治療手段というわけではありません。昨今、良好な血糖コントロール状態を保って合併症を防ぐために、また患者さんの膵臓を疲弊から保護するために、糖尿病治療の比較的早い段階から、この治療を開始するケースが増えています。